秋山美智子/みっちゃん(香川県)


香川県にお住まいのみっちゃんですが、ありがたいことに名古屋でお会いすることがありました。聡明で、それでいてとても温かく、はじめて会った気がしませんでした。こんな方がいつも私たちを待ってくださっている、お寺の存在は大きいなと思います。ご夫婦の仲睦まじい姿も、ファンがきっと多いはずです。

いつもインスタグラムの発信、楽しみにしています。SNSの担当をされつつ、多岐に渡るご活動、いつも目を見張るばかりです。そんな中でハスワークの主催もなさっていて光栄に存じます。どんな風にハスワークと出会われたのでしょうか。

「お寺マダム」という坊守さんのオンラインサロンで初めて出あいました。以前から「ハスワークの想い」がすてきだな、と思ってホームページを見ていたところ、お寺マダムのオンラインハスワークにご縁あり、「これだ!」と思いました。一度咲かせたら、その時の心地よさが忘れられなくて、数日後にまた蓮紙を手にして、時間を忘れて何度も咲かせていましたね。

なんと。はじめてのハスワークは、オンラインだったのですね。そこから今は主催されていて、どんな印象をお持ちですか。

誰かと咲かせると想いがリンクしたり、「あぁ、今日はご縁がととのってAさんとBさんは出会えたんだな」と思う瞬間がいくつもあります。ハスワークを通して、その場ごとに二度とない空間をともに過ごすことができるのが魅力のひとつですね。

そうですね。一度として同じ時間がないですし、その貴重な出会いに立ち会えることが魅力のひとつですよね。

お寺では大切な人とお別れされた方々のグリーフケアを大切にしています。特に自坊では、流産・死産等で赤ちゃんを亡くされた方が集う場を開いており、グリーフワークとして、「色の表現」も大切にしています。ハスワークで手を動かすことで、お子さまの名前への思いや、胸の内を聴きあったり、無理に話さなくてもいい時間になっています。

その「無理に話さなくていい」は、大切なポイントだと感じます。一度、ハスを咲かせてすぐに、そのハスをつぶして帰った子がいるのですが、「なぜ壊した?」「何かあった?」と聞いていたら、次もまた来てくれなかったのではないかと思ったことがあります。また数か月後、その子が来てくれた時、そんな風に感じました。

小学生の男の子が一枚の蓮紙を手にして、ハスを咲かせようとしたのですが、途中で飽きちゃったんでしょうね。くるくるっと遊びながら丸めて「ネギワーク!」と言って、みどりの蓮紙を野菜のネギに見立てました。まわりの大人がハスを上手く作ろうとしている「形にとらわれている私の心」にはっとした瞬間でした。

ネギワーク(笑)!

「阿弥陀様のまなざし」がまさにハスワーク。「形よく作りたい」、「あのハスのようにきれいに」と、善し悪しでジャッジしている私たちの心に気づかせてくれます。どのハスがきれいなのでしょう。ハスは「作る」のではなく、自然と一人ひとりの心とともに「咲く」んだといつも感じます。仏様の目で見れば、様々な見方や価値があると同様に、どのハスもそれぞれに美しくそこに咲いています。

「阿弥陀様のまなざし」ですね。阿弥陀様は、いつも私たちを助けるために、前のめりになっておられると聞いたことを覚えています。あのお姿を見ると、「私たちは愛されている、大丈夫だ」と、いつも思います。

大切な方が亡くなられた時、お寺でご家族の方とご一緒に涙を流しながら、語り、咲いてゆくハスがあるんです。ハスとともに旅立っていかれるので手元には残っていないのですが、同じ色で咲かせようと思っても二度と同じハスは咲かない。その時の空気、情景、想い、話したことば、ハスの色までも鮮明に覚えていて忘れられません。

主催者にとっても、一回一回のハスワークって、それぐらい、印象的ですよね。最後に、いつも気をつけておられることを教えていただけますか。

「主催者=先生ではない」ことを大切に、「みっちゃんと呼んでください」と、お伝えします。そして、みんなそれぞれ美しいこと。歌をともに歌ったり、お経のお話しから入ったり、分かりやすく「ハスワークの想い」をお伝えするようにしています。そうすると「あっ、いま私、無理にきれいに咲かそうとしていたわ」と笑いながら話す方もいて、そうするとみんなで一気に笑顔になり、互いに気づく心が芽生えるようです。

なるほど、「気づく心が芽生える」、素敵な言葉ですね。大切な思いを持って主催してくださり、本当にありがとうございます。そして、これから出会うであろうハスワークに、私もひとつひとつ向き合っていこうと、改めて身が引き締まりました。お話し、ありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

秋山美智子/みっちゃん(香川県)

真宗興正派慈照寺坊守、趣味は大人に絵本を読むこと。大切な赤ちゃんとお別れした「パパとママのおはなし会」を定期的に開催。その他、さまざまな集いの場を提供している。

連絡先
香川県高松市由良町392-2